HERBS

伊吹山のハーブ

伊吹山は古くから霊山として古事記などの日本神話にも出てくる神さまの山です。
古くから薬草山としても有名で、厳しい自然と植物と人とが共存してきた神聖な場所。

現代の私たちが伊吹薬草を使わせて頂けるのは、山とともに生きる薬草農家さんたちの手を経るからです。
農家さんたちは季節や大地、植物の声を聞きながら、大切に摘み取った薬草を人々の暮らしの中へ伝える大切なお役割を担っていらっしゃいます。

薬草を採る時期、乾かし方、手を入れる加減。そのひとつひとつに、古からの伊吹山に暮らす人々の知恵と風習が染み込んでいます。

神さまの領域と現代をつなぐ薬草農家さんたちのおかげさまで、月蓬のブレンドハーブたちは作られているのです。

伊吹よもぎ - 伊吹山の母なる薬草

伊吹山の斜面に自生するよもぎは、古来より人の暮らしと最も近くにあった薬草のひとつです。日本では草餅やお灸、浴用などに用いられ、邪を祓い、身体を温める植物として受け継がれてきました。伊吹山の石灰質の土壌と昼夜の寒暖差により、香り高くエネルギーの高い、力強いよもぎが育ちます。

よもぎにはフラボノイド類やクロロフィル、精油成分が含まれることが知られ、蒸気として用いることで、香りとともに全身を包み込むような体感が生まれます。伊吹のよもぎをベースにしたハーブ蒸しは単なる温熱ではなく、野生の記憶を細胞レベルで身体に還す行為。神域に息づく母性のようなエネルギーを放っています。

  • 日本の野草文化を象徴する基礎となる薬草
  • 青く深い香りで、全体の土台をつくる存在
  • 葉が厚く、蒸気にしたときの包容感が強い
  • 伊吹山の環境により香りが立体的
  • 他の薬草の個性をまとめる「母なる草」的役割





どくだみ - 浄めと再生を司る

どくだみは伊吹山麓でも古くから自生しており、漢方や民間療法や、身近なお茶として親しまれてきました。人々の暮らしのすぐそばで育ち、湿り気のある土地を好む野草です。その独特の香りは、乾燥・蒸しによって穏やかな質へと変化します。

科学的にはポリフェノール類や揮発性成分が含まれることが報告されており、飲用としたり浴用として用いることで排泄させるデトックスの代表的なハーブです。それは「浄化」の象徴とされ、不要なものを流し、新しい巡りを迎える植物でもあります。

  • 陰のエネルギーを持つ野草
  • 乾燥・蒸しで香りが穏やかに変化する
  • 空間の空気感を切り替える力を持つ
  • 主張しすぎず、全体を澄ませる存在
  • 古来「浄め」の草として扱われてきた背景




とうき - 巡りを司る、山の血脈

とうき(当帰)は古来より東洋医学において重んじられてきた薬草で、伊吹山はその名産地としても知られてきましたが、近年ではその収穫量が非常に少なくなってきています。冷涼な気候と石灰岩質の土壌で育つ伊吹のとうきは、香りが深く、根の力強さが際立ちます。

主要成分として精油類などが含まれることが知られ、身体の芯にまで温もりが届くような感覚をもたらします。「血脈」「命の巡り」を象徴するハーブでもあります。

  • 伊吹山を代表する根の薬草
  • 土壌と寒暖差の影響を強く受けた香りの深さ
  • ブレンドに重みと奥行きを与える
  • 香りに丸みと落ち着きを加える存在
  • 女性のカラダケアと深く結びついてきた歴史




くろもじ - 境界をほどく、香りの木

くろもじは伊吹山の森に自生する香木で、枝葉から立ち上る清らかな香りが特徴です。和菓子の楊枝や神事の香りとしても使われ、空間を清め、場を整える植物として扱われてきました。

精油成分としてリナロールなどが含まれることが知られ、蒸気として用いると、呼吸が自然と深くなるような体感があります。「境界を越える香り」とされていて、日常と非日常をやさしく分かつ存在。心身の緊張をほどき、内側の静けさへ導きます。

  • 森を思わせる清らかな香りの軸
  • 空間の輪郭を整える香木
  • 揮発性の高い香りで最初に印象を残す
  • 他の薬草をつなぐ「橋渡し」的存在
  • 神事・和文化と結びつく背景を持つ



いぶきじゃこうそう -
伊吹の名を宿す、霊性の草

いぶきじゃこうそうは、伊吹山の名を冠する象徴的な薬草です。百里先まで香るとされ、百里香(ひゃくりこう)の別名があるほど強い芳香を放ち、古くから薬草として、また霊的な植物としても語られてきました。

精油成分を多く含むことが知られ、煎じることで空間全体が一変するほどの存在感を放ちます。神域的には「目覚め」「変容」を司る草。

  • 伊吹山の名を宿す象徴的薬草
  • 非常に印象的で記憶に残る芳香
  • 空間の空気を一気に変える存在感
  • ブレンド全体に霊性と緊張感を与える
  • 古くから特別視されてきた背景




ししうど - 大地の力を宿す

ししうどは伊吹山に古くから自生する大型の薬草で、力強く天へ伸びる姿が印象的です。その根や茎は民間療法で用いられ、山の恵みを象徴する存在とされてきました。

成分として精油類を含むことが知られ、ハーブ蒸しに使用するとどっしりとした温もりと安心感をもたらします。
「守り」「結界」を象徴する薬草。伊吹のししうどは身体の軸を整え、地に足をつける感覚を呼び戻すきっかけにもなります。

  • 伊吹山の野草らしい力強さを持つ植物
  • 香りに重みと安定感を与える
  • 大地を感じさせる存在感
  • ブレンドの下支えとなる役割
  • 山の守り草として語られてきた背景




いのこづち - 祈りを結ぶ、野の記憶

いのこづちは、衣服に種が付着して運ばれる散布形態をもつ野草で、人と自然の距離が近かった時代の生態を今に伝える植物です。伊吹山麓でもひっそりと根づき、踏まれても折れても再び立ち上がるような、しなやかな生命力を宿しています。

植物学的には、茎や葉に含まれる成分や繊維質の構造が注目され、古くから暮らしの中で活用されてきました。蒸しとして用いると、強い香りや刺激は持たず、穏やかな蒸気が空間に広がります。そのため、他の薬草の個性を妨げることなく、全体をやさしくまとめる役割を果たします。

「縁」「結び」を象徴する草。伊吹のいのこづちは、身体と心の境界をゆるめ、日常の中で見過ごしてきた感覚やつながりを、静かに思い出させてくれる存在です。

  • 目立たないが確かな生命力を持つ野草
  • 全体の香りをやわらかくまとめる
  • 人と自然の距離を近づける象徴的存在
  • 主張せず、余白を生む役割
  • 「縁」「結び」を連想させる文化的背景